こんにちは。
初心者の気持ちが分かる合気道三級のばーやん(@yurumaji_aikido)です。
合気道を代表する技の一つ、四方投げ。
五級の昇級審査にも含まれているので、初心者の頃から繰り返し稽古する技です。
しかし、だからと言って四方投げは簡単な技ではありません。
入り身投げと同様に、初心者が必ずぶつかる壁として立ちはだかります(^^;
特に陥りがちなのが、最後の投げの部分で 180 度回転したときに、身体が仰け反って(のけぞって)しまうこと。
こうなってしまうと、相手を充分に崩せないだけでなく、簡単に反撃されてしまいます。
なぜ仰け反ってしまうのか?
そうならないためには、どうしたらいいのか?
今回はその一点にのみ集中して、原因と対策を考えてみたいと思います。
四方投げは「自分が中心」
まずは四方投げの基本的な流れを確認しておきましょう。
四方投げと言ってもいろいろ種類がありますが、最も基本的な片手取り四方投げ(表)を例にとります。
道場によって違いはありますが、基本的な流れとしては、
- 掴まれた方の腕をしっかり伸ばした状態で同じ方の足を踏み出し、
- そのまま 180 度回転することで相手の肘を折り畳んだ状態にして体勢を崩し、
- 肩関節を極めて下方向へ引き下げる
という感じだと思います。
文章だけだと分かりにくいですね(^^;
こちらの動画がとても分かりやすいので、まずはご覧ください。
ここでも仰け反ることについて注意がありました。
やはりどこの道場でも初心者あるあるなんですね。
動画の中では「自分の中心でしっかり回ること。相手の中心で回ると自分の体勢が崩れる」と説明されています。
「自分の中心で回る」とは、どういうことでしょうか?
ここがポイントになりそうですね。
もう少し具体的に考えてみたいと思います。
四方投げで身体が仰け反る原因は手の位置?
先ほどの動画で注目して欲しいのが、回転するときの手の位置です。
仰け反ってしまうときと、相手を崩せているとき。
その二つを見比べて、手の位置はどんな風に違っているでしょうか。
よーく見れば分かります。
……どうでしょう。
分かりましたか?
正解は、
仰け反るとき→頭の後ろ
崩せているとき→頭の前
です。
簡単ですよね。
とてもシンプルです。
でも、自分がやってみるとうまくいかないんですよね(^^;
他の人を客観的に見ていると、すごく簡単に見えるんですが……。
身体が仰け反っているときは、回転するときに手が頭の後ろに残ってしまっていることが分かりました。
では、なぜ頭の後ろに手が残ってしまうんでしょうか。
その原因の一つが、「手を残して身体だけ回転してしまうこと」です。
最初に手を前に出しながら足を踏み込むので、そのまま 180 度回転すれば手は後ろに残ってしまいますよね。
考えてみれば当たり前のことなんですが……。
僕も含め多くの初心者が、そんな単純なことに気付けないんです。
あるいは、気付いていてもなかなか改善できない。
どうしても身体の回転ばかりに気を取られてしまうんでしょうね。
身体のバランスを保つだけでも最初は難しいので、仕方のないことではあるんですが。
仰け反らないためには、手を頭の前に置いたまま身体と一緒に回転しなければなりません。
そのための方法と意識(イメージ)について、もう少し深堀りしてみます。
剣術のイメージが仰け反る原因?
合気道は剣術の動きが多く含まれています。
実は四方投げも、相手の胴を斬りながら、振り返って背後の敵を斬る動きを模したものなのだそうです。
入り身投げも、片手に剣を持ったまま相手を投げる動きですよね。
その他にも、合気道のあらゆる動作に剣術の要素が含まれています。
四方投げの最後の投げの部分についても、「剣を振り下ろすように」と指導されることが多いと思います。
僕も実際にそう指導されました。
確かに自分の中心線上で相手の腕を振り下ろす、あるいは斬り落とすようにすることで、相手は逃れられずに倒れることしかできません。
でも、それって 180 度回転した後のことなんですよね。
四方投げで身体が仰け反るのは、実はその「剣を振り下ろす」というイメージが強すぎることも原因の一つなんじゃないでしょうか。
こちらの動画は「四方斬り」といって、その名の通り四方を正確に剣で斬る稽古です。
まずは見てみてください。
どうでしょう。
180 度回転したとき、手が頭の後ろに残ってますよね?
四方投げで手が頭の後ろに残ってしまうのは、こんな感じのイメージがあるからじゃないでしょうか。
つまり、「クルっと振り返ってから手(剣)を振り下ろす」というイメージが強過ぎるんじゃないかと。
ここでもう一度、冒頭の四方投げの動画を見てみましょう。
「四方斬り」と比べてどうですか?
全然違いますよね?
四方投げの場合は、踏み込んだときに出している手を前に出したまま、身体も回転していることが分かると思います。
「回転してから振り下ろす」ではないんです。
「回転し終わったときには、既に相手の腕や肩が極まっている」んです。
回転してから振り下ろすのでは遅いんですよ。
慣れないうちは、自分の身体に相手の腕が引っかかるような気がすると思います。
だから余計に手を上げて、仰け反ってしまうんですね。
なので、どうしても気になる場合は回転するときだけ顔を下に向けて、相手の腕が通る道を開けてください。
普段は目線を下げてはいけないんですが、このときは例外。
しっかりと顎を引いて、相手の腕を通す一瞬だけ頭だけを前に倒すようにしましょう。
相手の腕が自分の後頭部に沿って抜けていくようなイメージです。
腰から折れて前屈みにならないように気を付けてくださいね。
また、身体の中心の軸を崩さないことにも注意が必要です。
もちろん手を力づくで引っ張ってはいけません。
むしろ前に押し出すような感じですね。
「屈筋」ではなく「伸筋」をここでも意識しましょう。
何となくのイメージは掴めましたか?
初めのうちはゆっくり回って、手の位置を確認しながら感覚を掴んでください。
正確な動作ができていれば、スピードがなくても充分相手を崩すことはできます。
どのあたりに手があればスムーズに回れるか、そのポイントを稽古の中で見付けてくださいね。
今回の課題
最後まで読んでいただいたあなたへ、今回の課題は以下の通りです!
- 一人で四方投げの稽古を行い、手が自分の頭の前を通るイメージを掴む
- ペアを組んで 180 度回転の部分だけをひたすらゆっくり行う
- 手が頭の後ろに行かなくなったら、手を掴まれるところから通して稽古する(スピードはゆっくり)
- 片手取り以外(両手取りや正面打ちなど)の四方投げでも仰け反らないように稽古する
必ず行動に移してくださいね!