こんにちは。
合気道三級のばーやん(@yurumaji_aikido)です。
合気道とは直接関係はないんですが、後学のためということで心理学についてもいろいろ調べたりしています。
その中で先日「カラーバス効果」という言葉が出てきました。
改めて調べてみると、割とポピュラーな言葉みたいですね。
僕は初めて聞きましたが……(^_^;)
あなたは知っていましたか?
簡単な実験で体感できるので、セミナーなどの「つかみ」として使うことも多いそうです。
日常生活や仕事にも活用できますが、稽古にも活かせそうだったのでご紹介します。
工夫次第でいろいろ使えそうなので、ぜひ試してみてくださいね。
「カラーバス効果」とは
「カラーバス効果」とは、ある特定のことを意識することで、それに関連する情報が集まってくる現象のこと。
「カラー」は「color(色)」、「バス」は「bath(浴びる)」のこと。
直訳すると「色を浴びる」ということです。
つまり、特定の色を意識すると、その色に関する情報が勝手に(=浴びるように)集まってくる、ということですね。
さらにこの「カラーバス効果」は色に限った話ではなく、その他の様々な情報にも応用できるそうです。
……分かりましたか?(^^;
言葉で説明しただけじゃ分かりにくいですよね。
ではここで一つ例を出してみましょう。
よくある実験なので知っている人も多いと思いますが。
今から言うことを試してみてください。
まず、今あなたの周りに何があるか、一通り見回してください。
外でしょうか、部屋の中でしょうか。
見慣れた景色かも知れませんし、初めての場所かも知れません。
それはどこでも構いませんので、じっくり見てくださいね。
だいたい見終わりましたか?
では周りは見ずに(できれば目を閉じて)次のことを思い出してください。
今あなたが見た中で、赤いものは何があったでしょうか。
赤いものですよ。
色が赤いものすべてを思い出してくださいね。
すべて思い出しましたか?
すべてですよ?
思い出せる限り思い出したら、もう一度周りを見回してください。
どうでしょう。
最初に見回したときよりも、多くの赤いものが目に飛び込んできたんじゃないでしょうか。
そして、無意識のうちに赤いものを探してしまっていることにも気付くと思います。
(「赤いもの」という言葉を繰り返すことで、さらに強く意識してもらいました)
これが「カラーバス効果」です。
赤いものを見つけようとすると、今まで目に入らなかったものまで赤かったことに気づくんですね。
つまり、「赤いものを見つけよう」という意識によって、自分の視界にある「赤いもの」が目に飛び込んでくるようになるんです。
これによって「赤いもの」という情報が自然に集まってくるというわけです。
脳が勝手に情報を集めてくれる
「カクテルパーティー効果」という言葉を聞いたことはありませんか?
これは、カクテルパーティーのように周りがザワザワと騒がしい状況でも、自分が聞きたいと思う音や声はちゃんど聞き取れる、というものです。
賑やかな居酒屋でも会話ができるのは、この効果のおかげですね。
「カラーバス効果」も、脳が情報を勝手に仕分けして集めてくれるという意味では、この「カクテルパーティー効果」とよく似ています。
欲しいと思う情報を意識しているだけで、脳が勝手に情報を見付けて集めてくれるんです。
(「知覚の選択性」というらしいです)
いわゆる「アンテナを張る」というのも、同じような意味合いですね。
考えたり願ったりしていることが実現するという意味では、「引き寄せの法則」にも共通している要素がありそうです。
ポイントとしては、欲しいものやしたいことを意識する→脳が勝手に情報を集めてくれる、という流れです。
せっかく脳にはこんな便利な機能があるのに、ただ漠然と過ごしているだけではもったいないですね。
自分にとって必要な情報が何なのかを見極め、しっかりと意識することが重要です。
「カラーバス効果」を稽古に活かすためには
では、この「カラーバス効果」を稽古に活かすためにはどうしたらいいでしょうか。
方法としては、いろいろあると思います。
たぶん、自然とそういう状態になっている人も多いはずですよ。
例えば、「転換が上手くなりたい」と意識した場合。
転換に関する情報が集まってくるはずですね。
そうすると、普段の生活の中で転換に似た動作を見付けることがあると思います。
その動作を行うときに毎回転換のことを考えるように習慣付ければ、スムーズな身体の捌き方を身に付けることができるかも知れません。
体重の乗せ方や移し方が分かったり、軸となる足のポイント(母指球)がよりピンポイントになったり。
あるいはいつもの稽古の中でも、いろいろな技の中にある転換の要素を新たに発見することもあるでしょう。
技全体を眺めても分からなかったことが、「転換」という要素に注目することで、より具体的になりますね。
一連の流れを覚えることも大事ですが、要素を分解して意識できるようになれば、技への理解もさらに深まるはずです。
その他にも、誰かの雑談で聞こえてきたことが何かのヒントになったり、他の人の転換が目に留まって気付きが得られたり。
本当にいろいろあると思います。
ただ、「転換」という言葉に脳が勝手に反応してしまうので、全然関係ない「転換」の情報まで集めてしまいますけどね……。
それは自分で取捨選択するしかありません。
でもその程度の手間がかかるとしても、活用すべき手段だと思います。
稽古で言われたことをこなすだけじゃ、かなりもったいないですよ!
今の自分にとって必要な情報は何なのか、しっかり意識して稽古に臨んでくださいね。
ネガティブな方向にも「カラーバス効果」は働く
ここまで「カラーバス効果」の良いところばかりを挙げてきましたが、使い方に注意しなければならないこともあります。
それは、「ネガティブな情報まで勝手に集めたり見付けたりしてしまう」ということです。
例えば、「今日の先生、この人かー。嫌だなー。苦手だなー」と思いながら稽古をしているとします。
すると脳はカラーバス効果によって、その稽古や先生の中にある嫌なところや苦手なところに関する情報を集めてきてしまうんです。
「そんな厳しく言わなくてもいいのに」とか、「手加減してくれないと手首痛めるって」とか、「ちょっとくらい休憩入れて欲しいなぁ」とか。
そうなると、ますます嫌なところや苦手なところにばかり意識が向くようになって、さらにネガティブな情報ばかりが集まるようになるんですね。
せっかくの稽古もそれじゃ楽しくありませんし、身に付くものも身に付きません。
何よりそんな気分で稽古をしていたら、ケガの元になります。
ではどうしたらいいかと言うと。
嫌なものや苦手なものは仕方ありませんから、無理やり好きになったり得意になったりするも必要ありません。
というか、そんなこと不可能ですから(^_^;)
そうではなく、同じ事柄を別の角度から見るようにするんです。
例えば「厳しく言わなくても」ということについては、「なぜ厳しく言うのか」を考えてみる。
「手加減してくれない」については、「なぜ手加減しないのか」を考えてみる。
そちらに意識を向けることで、それぞれの「なぜ」に関する情報が集まるようになります。
すると、今まで気付かなかった別の側面が見えてくるはずです。
「厳しく言うのは、緊張感を持たせてケガをさせないためなのかな」とか。
「手加減しないのは、技の本当の強さや怖さを伝えるためなのかな」とか。
あるいはもっとシンプルに、「この苦手な先生の、良いところを見付けてみよう」と意識してみてもいいでしょう。
全体としては苦手だとしても、その中でも良いと思えるところがいくつかでも見付かれば、先生の見え方や稽古への取り組み方も変わってくるはずです。
そう思えるようになれば、嫌だったり苦手だったりした先生も、少しはポジティブな存在に感じるようになるんじゃないでしょうか。
「カラーバス効果」は手軽で効果も大きいですが、その分使い方を誤ると逆効果になることもあります。
ひょっとしたら無意識でそうなってしまってるかも知れません。
日々の中で自分を点検しながら、充分に気を付けてくださいね。
「カラーバス効果」は心理学用語ではない?
「カラーバス効果」について調べているうちに、これは心理学用語ではないのでは? という記事を見付けました。
この記事によると、「カラーバス効果」についての論文が存在しないのだそうです。
日本語はもちろん英語の論文も。
では何が出処かというと、『考具』という本が由来ではないかとのこと。
この中に「カラーバス効果」についての記述があるそうです。
さらに、この本が出版された 2003 年以前は、ネット上に「カラーバス効果」についての記事は存在しないそうなんですね。
ところが、2003 年に初めての記事が公開された後、記事数が伸び続けていると。
これが「カラーバス効果」が心理学用語ではなく、『考具』という本が由来であるという根拠だそうです。
確かに説得力はありますね。
論文も存在しないということは、心理学会で正式に認められた効果ではないということなんでしょうか。
ただ……、心理学用語でないにしても、効果としては実感できますからね。
副作用があるものでもないですし。
他の人に影響を及ぼすものであれば、ちょっとは考えますけどね。
あくまで自分の中の意識付けの話なので。
それほど気にすることではないのかな、と個人的には思います。
活用できるものはどんどん活用していきましょう!
[その他の参考記事]
»「人は自分が見たいものに意識を向けている」カラーバス効果を知ってビジネス活用しよう|ferret [フェレット]
»この記事を読むだけで人生が変わるかも?カラーバス効果の可能性とは | MEN人(メンジン)
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