こんにちは。
初心者の気持ちが分かる合気道二級のばーやん(@yurumaji_aikido)です。
先日の記事でもチラッと書いた通り、4 月の初めの昇級審査で二級に合格しました。
なかなか稽古に行けない中での審査だったんですが、合格できて良かった(ToT)
一週間以上も道場に行けないことがあったりして、不安や焦りもけっこうありましたね……。
そんな中で、稽古不足を何とか補おうとして繰り返し観ていたのが『合気道上達革命』という DVD 教材です。
これは合気会の植芝充央・本部道場長が監修している教材で、道場長自ら動画に出演・指導されています。
DVD の 2 枚組で、合計 2 時間強のけっこうなボリューム感ですね。
今回はこの DVD がどのような内容なのか、僕がどのように活用したか、ということについてご紹介したいと思います。
目次
『合気道上達革命』は初心者向きではない?
まず、最初に断っておかなければならないことがあります。
それは、この『合気道上達革命』は「決して初心者向きではない」ということ。
なぜかというと、基本的な説明がほとんど無いから。
これに尽きます。
もちろん初心者が観てもまったく意味が無いかといえば、そんなことはありません。
入身や転換など、基本的な体捌きについての説明もありますから。
ただ、「懇切丁寧な説明は期待しないほうが良いですよ」ということです。
あくまで
- 「最低限のことは知っている」
- 「ある程度は実際に道場で稽古したことがある」
という人が観ることを前提にしているように思いました。
例えば、「前方回転受け身」の説明の音声を文字に起こしてみましょう。
続いて前方回転受け身です。しっかりと半身になり、そこから前の手を畳に付きます。
あごをしっかりと引き、回ります。
前方回転受け身と、後方回転受け身は、身体の接地面が一緒です。そこも意識して行いましょう
これだけです。
分かるわけがない!(´Д⊂ヽ
道場で稽古をした経験のある人なら、まずはこんなことを教えてもらいませんでしたか?
- 「手→肘→肩→背中の順番で接地する」
- 「右肩から背中を通って、左の腰へ斜めに接地する」
誰でも最初に聞くであろう説明すら、この DVD には含まれていません。
これでは、まったくの初心者が観たらチンプンカンプンでしょうね。
『合気道上達革命』が初心者向きではない理由
ではなぜこのような「初心者向きではない」内容になっているのでしょうか。
あくまで僕の推測ですが、次の 2 つの理由が考えられます。
- 合気道を独学でやる人は居ない(どこかの道場に所属して稽古している)
- DVD 自体が実際の稽古の再現
順に考えていきましょう。
合気道を独学でやる人は居ない
これは考えたら確かにそうですよね。
合気道をたった一人で、独学で習得しようとする人はまず居ません。
間違いなくどこかの道場に所属して、実際の稽古を経験しているはずです。
そう考えると、一度も稽古もしたことがない人が、いきなり『合気道上達革命』を観る確率はかなり低いですよね。
細かいディテールの部分に関しては、道場で直接指導してもらえるはずです。
なので、この DVD の中では必要最低限の内容だけにとどめておいたのかなぁ、と。
これが初心者向きではない 1 つめの理由です。
『合気道上達革命』は実際の稽古の再現
2 つめの理由は、この『合気道上達革命』の指導方法が、実際の稽古と同じであるということです。
普段の稽古を思い浮かべてみてください。
一般的な流れとしては、
- 先生がお手本を見せる
- 実際に技の稽古
- ある程度の時間がきたら次の技へ
基本的には、これの繰り返しですよね。
技についての説明を細かくしてくれる先生も居ますが、簡単な説明だけで終わることがほとんどです。
何の説明もなく、お手本だけで「さぁどうぞ」となる道場も少なくありません。
もちろんこれにも理由はあります。
どれだけ細かく説明したところで、稽古を積んで自分で身に付けていかないことには上達しないんですよね。
『合気道上達革命』も、基本的にはこの流れと同じです。
植芝充央・本部道場長がお手本を見せて、ごく簡単な説明を付け加える。
すべての技において、その流れの繰り返しです。
もちろんすべての技において、細かいポイントやコツのようなものはあります。
しかし、それらは実際にその技を稽古してみて、「ここはどうしたらいいんだろう?」という疑問が湧いて初めて有効な情報となり得ます。
また、そのような疑問を持った状態で先生のお手本を見ると、新たな気付きを得られることがよくあります。
漠然と技全体を見るだけでなく、自分の課題であるポイントに絞って見ることで、ヒントや答えが見付かるんですよね。
でも、そういう疑問や課題は人によって違いますし、同じ人でも状況によって変化していきます。
一つ一つの技について細かいアドバイスが欲しいなら、YouTube で検索した方がはるかに手っ取り早いですよ(笑)
公開されている動画も、本当にたくさんありますしね。
以前に YouTube の動画やチャンネルを紹介した記事を書いたので、そちらも参考にしてください。
»YouTube でおすすめの合気道関連動画。
『合気道上達革命』では、そういう細かい部分が省略されている代わりに、かなりの数のお手本が収録されています。
経験の少ない人が見ると分かりづらいかも知れませんが、長く活用するにはこの方が良いような気がしますね。
『合気道上達革命』は辞典のように活用すべし
『合気道上達革命』の最大のメリットは、まさに「たくさんのお手本が収録されている」ことです。
つまり、「正しい形」や「正しいやり方」をひたすら示し続けているんです。
お手本の動きを見て、そこから読み取ろうとする意識さえあれば学ぶ要素はいくらでもあります。
たとえば、
- 足捌きはどうしているか
- 手の角度や位置はどうなっているか
- 相手をどうやって導いているか
- 回転のタイミングはいつなのか
などなど。
初心者のうちは、この DVD の映像だけを見てもよく分からないでしょう。
だけど、分からないままでも分からないなりに何回も稽古で試していると、ちょっとずつ分かってくるはずです。
「ということは、ここはどうしたらいいんだろう」
この DVD が真価を発揮するのはこういうとき。
「正しい形」のお手本がそこにあるので、いつでも自分の目で確かめることができるんです。
道場での稽古だけだと、どうしても時間が空いてしまいますからね。
自分が気になっている技や動きを、その日の稽古でやるとは限りませんし。
DVD なら気になったときに気になったところを確かめることができます。
これって、まるで辞典のようだと思いませんか。
分からない言葉があれば国語辞典を開きますし、英語を知りたければ英和辞典を開くでしょう。
その他にもあらゆる辞典(事典)がありますが、共通しているのは「分からないことがあったとき、そのページを開く」ことです。
(最近はネットで調べることが多いので、紙の本じゃないかも知れませんが……。やってることは同じですよね)
何も目的がないのに、辞典を初めから順番に読んでいく人は(ほとんど)居ません。
必要に応じて、必要なページの必要な項目を読む。
これが辞典を最も活用できる使い方です。
この『合気道上達革命』も、そういう使い方をすべきじゃないかと思います。
むしろその方が、役立つ場面が多いのかなと。
その最たるものが、昇級・昇段審査に向けた「仕上げ」の時期。
審査に含まれる技について気になる・分からないことが出てきたときに、すぐ確認することができますからね。
審査日というタイムリミットがありますから、普段のように「次の稽古で出てきたら聞いてみよう」なんて悠長なことはやってられません。
道場での稽古も重ねているでしょうが、それでもやればやるほど疑問は出てくるものです。
思い付いた疑問はすぐに DVD で確認をして、なるべく早くにつぶしていきましょう。
『合気道上達革命』をオススメしたいのは「学ぶ意欲のある人」
ここまで説明した通り、この『合気道上達革命』という DVD は親切とは言い難い内容です(^_^;)
「こうなっちゃう人が多いけど、こうしたら改善するよ」という、よく見るようなアドバイスは一切ありません。
「これが正しい形です」という説明のみが淡々とまとめられている、まさに「辞典」のような DVD です。
なので、この DVD をオススメしたいのは「自ら学ぶ意欲のある人」。
何でも受け身で、教えてもらえるのを待っている人には向かないでしょうね。
とは言え、この記事を読んでいるあなたは、恐らくネットで検索したり他の人の紹介を見たりしてここまで辿り着いたはず。
その時点で充分、学ぶ意欲がある人だと思います。
ですから、この不親切な(笑) DVD を手にしたとしても、充分学ぶことができるんじゃないでしょうか。
技のバリエーションも非常に豊富ですからね。
「十字絡み」や「腰投げ」といった難易度の高い技もありますし、二人掛けや三人掛けの技も収録されています。
初心者を卒業してからも、中級者や上級者まで学べる要素はたくさんあるはずです。
入り身投げや四方投げといった基本的な技でも、ある程度のレベルまで達した後に見直したら新たな気付きがあるかも知れません。
そういう意味では、ここから何を学べるかは本人の意識次第と言うこともできそうです。
『合気道上達革命』で学ぶ際の注意点
最後に、この『合気道上達革命』で学ぶ際の注意点を一つだけ挙げておきます。
それは、「あなたが所属している道場の教えを守りながら、DVD から学んだことを取り込んでいくべき」ということ。
ここまで何度か「正しい形」という表現をしましたが、それはあくまで「合気会の本部道場」における正しさに過ぎません。
合気会は、確かに合気道における「総本山」とも呼べる存在です。
とはいえ、そこでの正しさが全ての合気道家にとっての正しさかといえば、そうではないんですよね。
このブログでも再三お伝えしていることですが、あなたが従うべきなのは、あなたが所属している・通っている道場の教えです。
もしも道場の教えと DVD (合気会)の教えが違っている場合は、迷うことなく道場の教えに従ってください。
間違っても「DVD でこう言ってたから」なんてことを道場で言わないでくださいね(^o^;)
道場の先生や先輩に対して失礼なだけでなく、あなた自身の上達にも悪影響がありますから。
どんな技も根幹ではつながっていて、道場によってそこの考え方が違っています。
なので、道場以外の考え方や方法論をつぎはぎのようにしてしまうと、技の一貫性が失われかねません。
『合気道上達革命』で学ぶ際は、技全体をそのまま取り入れるのではなく、「道場の技にこの動きを組み込むには、どうしたらいいだろう」という視点で観るようにしてください。
それぞれの道場らしさを決めるエッセンスのようなものが必ずあるはずです。
そこを無くしたり崩したりすることなく、さらに生かすための方法をこの DVD を通じて見付けてくださいね。
『合気道上達革命』の価格は? 中古はあるの?
『合気道上達革命』の公式サイトでの販売価格は、18,360 円(税込・送料別)です。
決して安い買い物じゃありません。
ただ、値段に見合う(もしくはそれ以上の)内容だとは思いますよ。
DVD が 2 枚組で、合計 2 時間強という大ボリュームですからね。
これだけ多くの技が含まれていて、いつでも自分の都合の良いときに映像で確認できるのは大きなメリットです。
買っておいて損は決してないと思います(^^)
……が、それでもできるだけ安く手に入れたいと思うのは、人間心理として仕方のないところ(笑)。
そこでまず思いつくのが「中古」を買う方法ですが。
残念ながら、この『合気道上達革命』が中古で出回ることは、ほとんどありません。
少なくとも僕は、Amazon で出品されているところを見たことがありませんし、ヤフオクやメルカリでもまったく見かけません。
そもそも一般的な DVD に比べて買う人がかなり少ないですし、一度買ったらなかなか手放さないでしょうからね。
ここは素直に新品を買った方が良いと思いますよ。
その上で、実は最安値で買う方法はあるんです。
この『合気道上達革命』、楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazonでも販売していますが、なぜか価格が違うんですよ。
参考までに現在(2019/05/20)の価格はというと、
- 楽天市場:19,850 円
- Yahoo!ショッピング:19,850 円
- Amazon:19,500 円
- 公式サイト:18,360 円(+送料 540 円)
(すべて税込)
送料を含めても、公式サイトが一番安いですね。
なぜこんな違いがあるんでしょうか……。
よく分かりませんが、公式サイトから買うのが一番安く手に入れられます。
少しくらい高くても楽天・Yahoo!・Amazonで買う方が良いという方は、こちら↓からどうぞ。
『合気道上達革命』についてのまとめ
ここまで『合気道上達革命』の内容と活用法について、説明してきました。
まとめると、
- 初心者向きではない
- 稽古の再現のような指導方法
- 細かいアドバイスがない代わりに、技のバリエーションが豊富
- お手本を示し続ける「辞典」のような内容
- 自ら学ぶ意欲のある人にはオススメ
- 道場の教えには従うこと
という感じです。
上級者になってからも役に立つ内容ですから、かなり長く活用できると思いますよ。
それに、「正しい形」は早めに知っておいた方が、変なクセが付いたりするのを防ぐことができそうですしね。
学ぶ意欲さえあるなら、オススメですよ〜。